幕を開けたのは、名ばかりの送別会だった−−。

 一家の主、山田達郎が海外に栄転とのことで引っ越しの手筈を整え始めた山田家。

今夜は近隣の住人たちを招いた山田家での送別会。ところが、直前になって栄転の話はご破算になっていた。

 

すっかり海外移住する気でご機嫌の妻を見て、心を痛める達郎。隣の佐藤家をはじめ近隣の住人達にも自慢していた手前、もはや引っ込みもつかない。達郎は事情を知る会社の部下の提言もあり、ひとまず送別会だけを何とかやり過ごそうと決意する。

 

そうとは知らずに山田家を海外に送り出す気満々の送別会参加者たちは、今まで山田家に面と向かって言えなかった感謝の言葉を口にしだす。が、徐々にそれは山田家に謝りたかった事、隠していた事の懺悔大会に発展していく。抱えていた罪悪感を、ここぞとばかりに浄化しようとする参加者たち。

 

しかし、山田家は、引っ越さないのである。

 

やがて送別の言葉から浮かび上がる、家族内の隠し事。 取り繕うための嘘が嘘を呼び、でっち上げられていく真実とはかけ離れた各々の関係性。 次第に険悪になっていく山田家と近隣の住人たち。そんな中、山田家長女の樹里と佐藤家長男の博己は、密かに結婚を前提とした交際をしていたのだった...。

 

「佐山家シンフォニア」「両家顔合わせ」に続く【家】シリーズ三部作の最終章。

ご近所付き合いと家族の在り方を問う、「笑いと涙と葛藤」の、ワンシチュエーション群像コメディ!!